双子 IN ワンダーランド

男女の双子の母です。妊娠・出産・育児…自分が欲しかった双子の情報をまとめてみました。

出産方法(経膣分娩)

双胎経膣分娩

双胎の分娩時のリスクについては、骨盤位(逆子)ほど知られ渡ってはいません。

単胎の妊娠満期が妊娠37週~41週であるのに対して、双胎妊娠の場合には子宮の容積も大きく、母体へのストレスも増加することを考慮すると、妊娠36~38週ごろのお産が母児にとって最も合併症も少なく安全なお産が期待できる週数なのではないかと思われます。

分娩様式の決定

1)36週~38週の場合(34週~35週もほぼ同様と考えます)

<自然陣痛の初来を待つことが可能な場合>

①第一子が頭位、第二子も頭位の場合

特別なリスクがない限り、経膣分娩を選択しています。

②第一子が骨盤位または横位の場合

互いの児同士が分娩を妨げあう可能性が高く、帝王切開を選択しています。

③第一子が頭位、第二子が骨盤位の場合

●単胎(児が1人)・骨盤位の経膣分娩をトライする条件は妊娠34週以降かつ推定体重2,000g以上となっています(病院にもよります)。しかし、双胎第二子が骨盤位の場合には、直前に産道が充分に改題していることを考慮し、経膣分娩のトライアルの条件を1,800g以上としています。

●第一子分娩後に第二子を急いで分娩させるためには、骨盤位のほうが頭位よりも若干リスクは少ないのではないかと考えており、双胎第二子が骨盤位であるから、という理由だけで初めから帝王切開を洗濯する必要はあまりないと考えておりますが、昨今、骨盤位の分娩方法として帝王切開を選択される方が増えており、それに伴い双胎第二子が骨盤位の場合にも、同様に帝王切開を行う施設も少なからずあります。
この点につきましては、施設によって考え方がまちまちなのが現状であり、セカンドオピニオンで聞かれることも有効な手段です。

<誘発分娩を行わなくてはならない場合>

●双胎妊娠が母体へのストレスを増やすことによって、とくに妊娠34週~36週以降、なんらかの異常所見が出現しやすくなることが知られています。

●異常所見として最もよく知られているのが、妊娠中毒症(高血圧・蛋白尿・浮腫を示します)です。しかし、実際には中毒症状が出現する前から血液検査では以上が出現することが多く、具体的には血小板やアンチトロンビンⅢといった母体の止血能に重要な働きをする因子が減少し始めたり、尿酸という妊娠中の腎機能を反映する値が高くなったりしてきます。
妊娠の負荷が過剰になった結果、様々な異常値が母体に出現してきた場合には陣痛を誘発して分娩を終了する必要があります。

2)39週になっても自然陣痛が起こらない場合

上記に記載したように、通常双胎の場合には36~38週に陣痛が来てお産が順調に進むことが母児ともに合併症も少ないと考えております。しかし、中にはなかなか陣痛が来ない場合もあります。この際、一体いつお産にすべきか、誘発は好ましいのか、賛否両論ではありますが、大まかに以下のような方針を考えています。

●もし何らかの妊娠中毒症所剣が出現し始めた場合には誘発分娩を行います。

●とくに何の異常も認められない場合でも、40週までにはお産が終了していることが望ましいと考えます。しかし、大きくなった子宮は思いのほか陣痛がきにくい場合があり、せっかく子宮収縮を起こしても有効な陣痛とはならずに分娩が進まないことも珍しくなく、この場合には帝王切開を行わなければならない可能性が高くなります。

経膣分娩中のリスクとその対処

1)一般的な双胎分娩の管理

●陣痛が始まった場合には血管確保を行い(点滴のことです)、両胎児の心拍数モニタリングを分娩まで継続します。

●複数の医療関係者(産婦人科医・新生児科医・助産師)の立会いが必要になるため、ハイリスク分娩室で陣痛~分娩管理をします。

●第一子分娩後、急激に子宮の容積が縮小することにより、微弱陣痛となることが多いことが知られています。そのため、第一子娩出直前くらいから、陣痛促進剤を使用し、第一子分出後になるべくスムーズに陣痛が来て第二子娩出が行えるようにします。

●第一子娩出後に第二子が安定した胎位で骨盤の中に進入してくれることが大切なので、第一子娩出後に軽く子宮を圧迫して、第二子が骨盤の中に進入しやすくします。

2)分娩準備が緩慢な場合

●双胎分娩が完全に完了するための大きな要因の一つが、いかにスムーズに分娩が進行するかということです。双胎の場合、単胎の同じ週数に比べて子宮の容積が大きく、これが充分な子宮収縮を妨げる可能性があります。その場合には、子宮収縮材を用いて誘発・促進を考慮しますが、このような処置を行っても有効な陣痛が得られない場合があります。このようなときには経膣分娩にこだわることなく、帝王切開を行う必要があります。

●また、あまり多くはありませんが、両方の胎児がお互いの分娩進行を妨げあうような状態を作り出し、なかなか分娩が進まない場合にも帝王切開を選択しなくてはなりません。

3)第一子分娩前に児の胎児仮死が出現した場合

●第一子が元気なのにも関わらず、第二子の心拍に異常が認められる場合です。第一子を急いで娩出した後に引き続き第二誌を娩出することが可能な場合は経膣分娩を続行しますが、第一子の分娩のめどがつかない場合には帝王切開に切り替えます。

●また、例え第一子を分出しても第二子がスムーズに分出される見込みが低い場合には、帝王切開を選択することになります。次の項でも述べますが、第一子娩出後は通常、それまで良好だった第二子の心音は低下しやすく、すでに胎児仮死が起こっていると心音低下が助長される可能性は充分にあります。胎児の予備能を充分に考慮して緊急に対応しなければなりません。

4)第一子分娩後に児の胎児仮死が出現した場合

●第一子分娩後の子宮の収縮や胎盤の剥離が第二子にも影響を与えることは想像にかたくないことです。全く心音に以上を認めない場合もありますが、多くの場合は数分~三十分以内になんらかの胎児心拍の異常を認める可能性が高く、この場合には、胎児の状態に応じて急いで児の娩出を行わなければなりません。その時点で児の先進部が骨盤の中に入り込んできていれば経膣分娩を試みることが可能ですが、先進部が骨盤にはまり込んでいない状態にある場合はなんらかの方法で児を急いで娩出しなければなりません。この場合、おおむね以下の三種類の方法が考えられます。

①第二子が骨盤位の場合

足底を牽引して児を骨盤位のまま娩出する。

②第二子が頭位の場合

吸入カップが装着できれば吸引分娩を行いますが、頭の位置が高すぎて吸引分娩が不可能な場合には内回転と外回転を同時に行って、児を骨盤位の状態に矯正してから足底を牽引して骨盤位で娩出する。

③どちらの方法も困難と考えられる場合

緊急帝王切開を行いますが、帝王切開決定から児の娩出までには約15~30分の時間を要し、その間に児の状態が悪化する場合があります。

5)第一子分娩後に第二子が横位になった場合、または分娩が停止した場合

●第二子娩出後に子宮の中の環境は大きく変わるので、第二子の胎位が二人とも子宮内にいたときとは大きく異なる場合があります。最も好ましくないのが横位といって、児頭がお母さんの背骨に直角に位置する場合で、この胎位になった場合は帝王切開を行って胎児を娩出するしかありません。しかし、このときは帝王切開も非常に難しいことが知られていて、時として胎児の損傷などを伴うこともあると言われています。

●また、第一子娩出後、子宮が収縮しづらくなり、いくら子宮収縮剤を使用しても分娩が進まない場合があります。胎児の状態が良好であれば急ぐ必要はありませんが、30分~1時間以内に分娩が進行する可能性が少ない場合には帝王切開を行う可能性が高くなります。

6)その他、両胎児の体重差が大きい場合

●帝王切開が選択される場合が多いと思われますが、この点についてはいくつかの異なった病態が考えられるため、医師より別の説明があるかと思われます。(私は該当しなかったので説明されませんでした。

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